アジアブログ
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2010年8月30日
アジアの各地を飛び回って思うこと
ブレインワークスグループ
CEO
近藤 昇
先日、アジア全体が猛暑の最中、
当社のアジア拠点のベトナム・ホーチミンから、
アジアの主要都市を約10日間で巡った。
実はこのような経験は初めて。
ホーチミンから、まずは上海に飛び、
ビジネス交流会の準備を。
上海の夜は20年来の中国人の友人と
北京ダックに舌鼓を打ちながら、
中国での事業戦略について話し合った。
翌日には数人と面会した後、ホーチミンに戻り、
その2日後からシンガポールへ飛んだ。
シンガホールではオープンしたてのカジノを体験。
そして事業パートナーとの意見交換。
あのリーマンショックから完全に立ち直り、
直近の成長率は世界一とのこと。
シンガポールの政治力、経済力の凄まじさを実感した。
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(上海風景) |
その翌日から3日間、インドネシアのジャカルタへ飛び、
シンガポール経由で、ホーチミンに深夜に戻り、
翌朝、成田に戻ってきた。
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(シンガポール風景) |
我ながら、いささか強行スケジュールの感はあったが、
限られた時間の中で、実に密度の濃い出張となった。
各地で今の時期にどうしてもお会いしたい多くの方々と、
アジアビジネスの今後の展開や協業の方策について、
深く議論できたことは大変有意義なことだった。
ホーチミンから各地へ出張することは何度も経験済みだったが、
今回のようなフライトは初めてだった。
違うパターンでアジアを巡ってみて、
今まで気がつかなかったことがいくつも見えてきて、
新鮮な体験が体に刻まれた。
そのひとつは、気候について。
私の抱いていた先入観が覆った。
まず、ホーチミンから上海に到着した時から、
いきなりうだるような、蒸せるような暑さが出迎えた。
聞けば、気温はなんと40度。
ちょうど、一週間前に上海を訪れていた友人の社長から、
「暑いから気をつけてね」
とメールで連絡はもらっていたので、
多少の心の準備はできていた。
とはいえ、気温40度の体験はそうそうできるものではない。
発展著しくコンクリート化が急速に進行する大都市上海ならではの、
ヒートアイランド現象の影響も大きいのだろう。
中国近代化を肌身で感じた。
ホーチミンに戻ったときは、なんと涼しい場所かと思えた。
ちなみに、この時のホーチミンの気温は
平年並みの32度程度だったと思う。
シンガポールもジャカルタも上海に比べて、
はるかに過ごしやすかった。
一通りの仕事を終えて、東京に戻り、これまた猛暑の出迎え。
連日35度とは驚きだ。
考えてみると、日本列島の中でも寒暖の差はあるが、
『猛暑の東南アジア』という先入観が見事に覆された出張であった。
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(ジャカルタ風景) |
この出張で再認識したことは、
やはりアジアでビジネスするならば、
アジアに主要拠点を置いていたほうが効率が良いという点である。
日本人は、どうしても日本の国土からアジアを見てしまう。
一方で、当たり前のことだが、日本以外のアジア人は
アジアからアジアを見て、アジアから日本を見る。
内田樹氏の著書「日本辺境論」(新潮社)を読むと、
そのことがよく理解できる。
私なりにシンプルに要約すると、
「日本は、アジアの大陸から見たら辺境の場所にあり、
辺境の存在である」ということだ。
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(ジャカルタ風景) |
確かに、当社のアジア拠点の中心であるホーチミンは
日本からだと近くても関西国際空港で約5時間はかかる。
一方、バンコクに飛ぶには1時間強、
シンガポールへ行くにも2時間程度だ。
上海に行くのでも約3時間。
ハノイからだと1時間強。
これは、仮にシンガポールから見ても似たようなことである。
なんと便利なことか。
日本を拠点にアジアを巡っていたら、
コストも時間も体力も浪費が多い。
地理的な辺境にある日本は、
これからのアジアビジネスで相当不利だといえる。
そんなことを思いながら、帰国して日経新聞で
興味深い記事(8月26日)を見つけた。
商社の双日がアジアでビジネス機事業を
開始することを伝える記事だ。
フィリピンを拠点に、日本も含めてアジアの
主要都市を結ぶアクセスラインを構築するという。
さすが商社の目の付けどころは素晴らしい、と思わず膝を打った。
すでに、アジアの各国に、バジェットエアラインが就航している。
今後も低価格航空サービスはどんどん増えそうだ。
ますますアジアはボーダレス化が進んでいく。
ビジネスも飛行機でどこへでもひとっ飛び。
そんな中、辺境の場所の日本はどうなることやら・・・。
私が、航空インフラのことを心配してもどうしようもないが、
いっそのこと、日本の企業は本社機能をアジア各都市に移す方が、
手っ取り早いのかもしれない。
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