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2010年12月23日 【中国】
中国製BMW


北京華通広運物流有限公司
柳田 洋


 

以前の中国では宝馬(ばおまー、BMW)と言えば、高級車の代名詞でした。


なぜならWTO加盟前の中国では、
輸入自動車に100%の関税がかけられており、
BMWは日本円にして2000万円ぐらいで売られていましたので、
本当の金持ちでなければ買えなかったのです。


しかし、2003年にBMWグループが、
遼寧省瀋陽の華晨汽車と合弁で中国製BMWを生産し始めてから、
BMWの位置づけは一変しました。




   



写真はその華晨汽車との合弁工場で生産された華晨宝馬のBMWですが、
高級車の代名詞・BMWの後姿に、「華晨宝馬」の漢字4文字が入るだけで、
かつてのアウディがそうであったように、中国でのBMWのイメージは、
トヨタやGMなど、他の外国メーカーの合弁車と大して変わらないものになってしまいました。
中国のBMWのオーナーの中には、ドイツ製の輸入BMWに見せかけるために、
「華晨宝馬」の表示を取ってしまう人もいるようです。


ドイツ製のBMWと中国製のBMWでは、そのステータスが全く違うのです。

ただ、この中国製BMW「華晨宝馬」、大いに売れているようで、
瀋陽の工場は増産に次ぐ増産、街でもよく見かけるようになってきました。
しかし、今後、販売台数が増えるに従って、
BMWのイメージは「あこがれの高級車」から
「誰でも乗れる車」に落ちていくことが予想されます。


車はたくさん売りたい。
しかし、ステータスは保ちたい。
BMWはこうしたジレンマを抱えながら、
中国事業の舵取りをしていかなければならないのです。


 


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