アジアブログ

 

 

2010年12月27日
日本人にとってカンボジアは“まっさら”

ブレインワークスグループ CEO 
近藤 昇




今月の初旬、2年ぶりにカンボジアを訪れた。
行き先は、首都プノンペンとシェムリアップ。
シェムリアップはあの世界遺産で有名なアンコールワットがある。
隣国のベトナムでは10年近くビジネスをしているが、
結構近場であるアンコールワットには足を運んだことがなかった。
理由は、単なる有名な観光地としてのイメージだけが先行していたからだ。
さすがに今の私にとっては、観光地は訪問先としては優先順位は低くなってしまう。
年をとってから行けばいいかな・・・そんな感じの場所かと思っていた。


  



今回は、ビジネス関連の話もあり、
短期間ではあったが、シェムリアップまで足を運んでみた次第だ。


首都プノンペン市街を流れる大きな川がある。
この川沿いには、外国人観光客目当のこじんまりとした歓楽街がある。
到着していきなり驚いたのが、流行の観光スポットに様変わりしていたこと。
2年前は工事壁に囲まれて川も眺めることができなかったが、
モダンな造りの建物があちらこちらに建ち上がっている。
夕食を食べながらしばらく眺めていると、カンボジアにいることをついつい
忘れてしまいそうである。


    



カンボジアで活動中のパートナー曰く、
日本の某建設会社が政府つながりを生かして受注したそうだ。
どおりで建物全体に品の良さを感じる。
プノンペン市街ではここに限らず急速に都会化していく様が見てとれる。
高層ビルは、まだなくひとつだけ韓国資本で建設中。
実はこれは2年前も建設中だったもので、リーマンショックの影響で遅延しているようだ。
一方、高層マンションの建設は盛んだ。
リゾート開発と併せて、韓国資本など外資系のパワーで急速に開発が進んでいる。
証券市場も、来年にはオープン予定とされている。
カンボジアのポテンシャルを考えると、
有望な市場として注目されるのは間違いないだろう。



 
 



日本企業の進出も今年大きな変化があったようだ。
この10年で28社が、今年だけで13社が進出。
数は少ないが、変化率としては大きい。
予兆を感じることができる。


こんな風に足を運べば、色々と実感できることがあるが、
日本にとってはカンボジアはまったく未知の未開の国だ。
しかしながら、韓国、台湾、中国などにとっては、すでに当たり前の場所なのだ。
いの一番に先行者メリットを享受できる有望国として目をつけ実行しているのである。
彼らから見たら、よだれが出るような投資案件がゴロゴロしているはずだ。


あまりにも有名な話だが、
ここカンボジアでも日本のODAは群を抜いている。
貢献は確かにしている・・・。
しかし、ここでも他の国と同じようにカンボジア人の記憶には強くは残っていない。
当然だろう。ビルや交通インフラ、リゾート開発のほうが、生活への密着感がある。
日常生活に接する中でアクティブに感じる方へ親近感や感謝の気持ちは動く。
まして、日本以外の国は、決断のスピードも速いし、アピールもうまい。


カンボジアは、日本にとっては、まっさらな可能性に満ちた国かもしれないが、
韓国などにとってはすでに競争激化の熾烈な戦いの場所なのだ。


 
 
 



もうひとつの訪問地・シェムリアップでも同じように韓国などのパワーを実感する。
韓国資本のゴルフ場を訪れたが、中国並みのダイナミックでゴージャスなゴルフ場だ。
この数年でゴルフ場が3ヵ所もオープンしたとのこと。

そんな中でも日本勢力も少数派ながら奮闘していた。
最近有名になったアンコールワットクッキーにも立ち寄ってみた。
日本人観光客を当て込んでのお土産屋さんだ。
大繁盛の様子。
既に観光コースに組み込まれていた。
また、知り合いのパートナーが経営するスシレストランがもうすぐくこの地にオープンする。
非常に楽しみだ。


少し滞在しただけでも、カンボジアでもビジネスチャンスはいくらでも思いつく。
大きなスケールの話でいけば、カンボジアは第一次産業としても有望だ。
土地は汚染されてない。
だから、農業にもビッグチャンスがある。
水産業も期待大。
アジア一の湖がある。
一方で水質汚染が深刻である。
そこへ、日本の水質改善技術の提供・・・。
色々とパートナーと話していると自然とテンションがあがる。


あらためて、ここカンボジアにも日本が貢献できることは、
山のようなあると感じた短期滞在であった。





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