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2011年1月20日 【中国】
中国共産党幹部専用病棟


北京華通広運物流有限公司
柳田 洋


 






北京市内のある病院の中にあった看板です。
「干部門診(がんぶめんぢぇん)」、その下には英語で「VIP Clinic」と書いてあります。
そうこれは中国共産党幹部専用病棟の看板なのです。

 

中国では今、病院や医師の不足から、病気になっても診てもらえない人がたくさんいます。
このため、北京市内の病院でも毎日病人が殺到、
挂号(ぐあはお)と呼ばれる受付を済ませた後、
どんなに病気でつらくても名前を呼ばれるまでずっと順番を待っていなければなりません。

 

あまりにも長く待たせられるので、
「病気がつらくて、何時間も待てない」という人を狙って、
朝早く病院に行って受付を済ませ、その受付札を高値で売り付けるダフ屋までいるようです。

 

そんな中、中国共産党の幹部には、
同じ病院の中に清潔で空いている幹部専用病棟が用意されており、
一般庶民のように何時間も待つことなく、 専門の医師にすぐに病気を診てもらえるようです。

 

中国共産党の幹部は、「自分たちは国民のために一生懸命働いているんだから、
この程度の特権は当然」と思っているかもしれませんが、
順番が回ってこずに病気で苦しんでいる一般庶民が、
この看板を見て中国共産党に憎しみを抱かないとでも思っているのでしょうか。

 

今、中国共産党に求められているのは、共産党員から特権をことごとく剥奪し、
一般庶民から「何の役得も無いのに、国民のために一生懸命働いてくれている」
というイメージを持ってもらうことなのではないかと思います。

 


 


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