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2011年4月12日 【ベトナム】
ベトナムの衛生事情

GABB Vietnam JSC
代表 玉置 哲也

ベトナムの衛生事情というと、どのようなイメージを持たれるだろうか?
多くの人は、あまり良くない、あるいは悪いというイメージが浮かぶと思う。
実際はどうかというと、ほぼ、その通りである。


いくつか例を挙げてみる。


①道端の屋台は、当然のごとくお金を触る手で、
  そのまま食べ物を触る。
  バインミーは、フランスパンに色々なおかずをはさんだ屋台の定番であるが、
  素手でパンをつかみ、おかずを挟み込む。
  いちいち手など洗わない。


②屋台や道端の店では、食器やコップをバケツにためてある水で洗う。
  一応、洗いとすすぎの2つのバケツはあるが、
  すすぎのバケツから取り出して、後は自然乾燥である。


③飲食店では、料理の上にそのまま注文伝票を置く。
  料理に伝票が触れていても全く気にしない。


④バイクに様々なペットボトルや氷を満載して、
  コーヒーを道端で売っているが、氷が頭陀袋に入っている。
  ペットボトルを冷やす氷とコーヒーに入れる氷が兼用なのだ。
  また、雨季はよく雨が降るが、
  雨水の入った容器でも中の雨水を捨てて、
  その容器でコーヒーを作ってくれる。


⑤ハエが飛んでいるのは、当たり前。
  店舗の中でもハエがいるのは珍しくない。
  当然、食べ物にハエがとまるので、はらって食べなければならない。


⑥市場で売っているものは、食べる前に洗うことを前提にしているのか、
  魚にしても肉にしても、タライの中や、
  決して綺麗とは言えない皿の上に並んでいたりする。
  当然、ケースになど入っていないので、
  大勢の人とバイクの巻き上げるほこりにまみれているし、
  常にハエが来るので店の人がハエをはらっている。

 

  

 


⑦ベトナムはビールに氷を入れて飲むが、その氷は店員が入れてくれる。
  氷はたいていプラスチックのバケツに入っており、
  店員がトングでコップに入れてくれる。
  氷が小さくなっていると、丁寧に取り出して大きな氷に交換してくれる。
  取り出した氷はどこに行くかというと、そのバケツの中である。
  つまり、バケツの中は新しい氷と、
  誰かが飲んだコップから取り出した氷が混在しているのである。


今の日本と比べると、かなり衛生状態は悪いし、とんでもないと感じる方もいると思う。
ただ、ベトナムが無茶苦茶なのかというとそうではなく、
日本が過剰に潔癖になっているとも言えるのではないだろうか。
考えてみれば、30年くらい前までは日本も同じようなものだったのである。


昨今の日本では、除菌除菌と言われているが、
そんなに除菌しないと生活できないことはないし、病気になるわけでもない。
ある意味、商売のために清潔と言っているともとれる。
そんな、ビニールハウス栽培のような環境にしても、
何も良いことはないのではないだろうか。


何も不潔が良いと言っているのではない。
過剰な清潔は必要ないということである。


(日本と比べて)少し汚れていると食事が出来ないとか、生活できないとなれば、
日本人はアジアでは活躍できなくなる。
日本の環境がアジアでは特殊とも言えるが、それが当たり前の基準では
世の中との乖離が広がる一方であり、現地の人との関係も構築できない。
やはり、一緒に食事をしたり、酒を飲んだりする中で良い関係が構築できるのであり、
特にベトナム人は、仕事の前に食事しよう、飲もうとよく言う。


その時にコップや皿が少し汚れているから交換してくれなどと言っている場合ではない。
ベトナムのローカルの店でピカピカのコップも皿も存在しないのである。
多少汚れていても、大丈夫。私も含めてベトナムで皆元気に生活しています。
ここは過剰に清潔な日本ではないのである。


ただ、私も生牡蠣だけは食べないでおこうと決めているが。。。



 




 


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