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2011年5月17日 【ベトナム】
ベトナム国内旅行からの体験

Brain Works Asia co.,Ltd
田口 秀一

ベトナムで生活していると、
日本人には不思議に感じられることや信じられないことがよく起こるものだ。
これまでも、そういうことをいろいろとお伝えしてきたが、
今回は「旅行」についてお伝えしたい。


ただ、これはベトナムの旅行事情などという、たいそうなものではない。
あくまで私が経験した中でのことであることを最初にお断りしておく。
逆に、一般論ではなく、生の姿をお伝えできると思う。


最近は、ベトナム人の方もある程度お金にゆとりの出てきた方がいらっしゃるようで、
だんだんと旅行人口は増えているようだ。
しかし、やはり海外は高いので、国内が多いようである。


旅行費が高くなる理由の1つは、飛行機代が高いため。
よって、ベトナム国内の安価な旅行ではバスをよく使う。
私もそういう旅行に行ったことがあるのだが、
そこから、いろいろと考えること、感じることがある。


例えば、山岳地帯の民族が住む地域に2泊3日で行ったことがある。
旅行代金は、2泊3日という旅行期間で8000円弱だった。
ホテル、食事、移動費等全て込みなので、かなり安いと感じられる。


しかし、旅程はというと、なんと2泊3日の内、
最初と最後の1日はずっとバスに乗っての移動なのである。
現地で楽しむのは、真ん中の1日だけなのである。
移動時間は実に片道8時間だ。


しかし、ベトナム人には、そんなことはごく当然のようである。
バスの中では、まるで小学校のバス遠足に行くかのようであり、
50歳過ぎている女性までが、ガイドが主導するゲームにノリノリで参加する。
ちなみに、ゲームの内容は、古今東西のようなものや、
一人ひとりあるいは輪番で歌を歌ったりする。
バスの窓から見える景色を楽しんだり、ゆっくり休憩したい私にとっては、
とてもそれどころではなかった。


また、これはベトナム人独特の特徴だと思うのだが、とにかく、写真を撮りまくる。
有名な観光地や歴史ある建物、奇麗な景色などであればわかるのだが、
普通のオフィスビルの前や、どこにでもある盆栽の前でも、
とにかく目についた全てのものの前で写真を撮る。


ベトナム人に言わせると、奇麗だからということだが、
これはさすがに日本人としては理解できない。
そんな盆栽、どこにでもあるでしょ?と突っ込みたくなってしまうのだ。

 

 

 

 


こんな状況だから、ガイドは大変だ。
とにかく皆が、写真を撮ることに一生懸命で、移動だと言っても言うことを聞かない。
ガイドは必死に、後で写真スポットはたくさんあるから、と呼びかける。
それでも動かないから、仕方なく先に行き、後から写真組が走って追いかけるのだ。


ところで、写真を撮る際にアングルについても、
日本人とベトナム人では違いがあるように思う。
そもそも、好みの写真のアングルなど、人によって違うものだが、
それを前提としても、やはり大きく違うと思うのだ。


私の見るところでは、ベトナム人はできる限り、
自分の全身を写したいと考えているようだ。


例えば、有名な建物の前で写真を撮るとする。
私なんかは、できる限りその建物全体を写真に収め、
私がその中に入っていればいいと思うのだが、
ベトナム人の場合、建物の上側やどこか部分が切れたとしても、
できるだけ自分の全身を収めたいようだ。
そして、足の先などが切れていたら、気に入らないという。


また、自分が大きく写っているのがよいようで、小さいと気に入らない。
極端な場面では、観光スポットの建物の1つと自分が重なってしまい、
建物が写らないような状況でも、自分が大きく写っている方がよいと言われたこともある。
私としては、せっかくなので建物が全部映るアングルの方が良いと思うのだが、どうも違うようだ。


なお、これらの件は私の趣味、主観も入っているので、
私の意見がおかしいと言う方もいらっしゃるかもしれないが、そこはご容赦いただきたい。


以下の写真は、マレーシアのある観光地でベトナム人の方に撮ってもらった写真だ。
私の後ろにあるのは、この場所から見える景観の1つである有名な建物なのだが、
私と重なってしまっている。

 

 

 

 


そういう状況なので、観光地に行っても、ベトナム人の旅行者は、
観光地の中をいろいろ歩き回るよりも、写真を撮ることに一生懸命という状況がよく見られる。


話を戻そう。
バスでの移動が多いと言ったが、
そうなると、やはりパンクやトラブルの可能性も高くなる。
路肩でよくバスが故障停車している場面もよく見る。


私自身、過去に行った旅行で、タイヤがパンクしたことがあった。
なんとか自走できたので、パンク修理屋を探して走ることができたのだが
そこでまた信じられないことがあった。


ようやく見つけたパンク修理屋は24時間営業の看板を大きく出していたのだが、
昼寝していて眠いからと、修理を断られてしまったのだ。
昼寝で眠いというのもすごい理由だが、
デカデカと24時間営業の看板を出していてそのように主張するので、さらに驚く。


そして、バスに同乗していたベトナム人旅行客たちは、
あきれつつも仕方ないね、と諦め、笑って別の修理屋を探す行動に移る。
このくらい、普通だということなのだろう。


まだまだ、私が経験していないこと、知らないこともたくさんあると思うが、
そうした中から、より生の現地事情を知っていきたいと思う。



 




 


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