アジアブログ

 

 

2011年6月30日 【アジア全般】
若者よ、上を向いてアジアを歩こう

ブレインワークスグループ CEO 
近藤 昇




当社の活動の一環として、
近々に本格的な学生インターン支援を実行する段取りを進めている。
まずは、ベトナムで始めて段階的に周辺国に展開する予定だ。

今までも、当社は創業時から学生との関わりを多く持ってきた。
創業時は世間にインターンという言葉すら定着していなかった時代だ。
当時は学生即戦力プログラマーに活躍してもらっていた。
実際、彼らは正社員よりパフォーマンスが良く、歩合制で報酬もかなり稼いでいた輩もいた。
この時代は、骨のある学生もまだ少なからずいたと思う。
また、外国からインターンを受け入れたこともあった。
振り返ってみて、この外国からのインターンに関しては、
正直、プラスの部分があったかどうかは微妙だったが・・・。
しかし、色々とトライしてきたことが今に繋がってきている。
そして、最近ではベトナムの当社で10名以上のインターンも受け入れてきた。

最近、世間でも学生インターンの制度というか活動が定着した感がある。
しかし、私は今のような就業体験的なイ ンターンに対しては、
その目的や成果に懐疑的な考えを持っている。
就職のためだけのインターンは私に言わせれば、
若者がますます社会を迷走するのを助長しかねないと心配する。
なぜなら激動の今は、
会社を知ることよりも社会を知ることのほうが大切だからだ。
わずかのインターン体験では社会や会社を錯覚してしまう。
つまみ食い程度の体験で良い部分だけ見せられても、
今日本で起こっている現実を掴 むことはできない。
インターンを受け入れる企業の本音の大半が、
自社へのスカウトであるので、甘い対応になるのは仕方がないが・・・。



  
 
  
 


今の日本の若者は、競争意識に乏しく上昇志向がないとよく言われる。
特に男子などは草食男子と揶揄され、挙句には植物男子と言われる始末だ。
なにかと沈没気味の日本の象徴として男性はネタになりやすい。
古今東西、太古からの歴史を見ても男子は狩猟するのが基本の役割だと思う。
冗談で言っているうちは良いが、
日本男子が、本当に狩りをしなくなったら、日本の先行きは真っ暗だと思う。
日本の若者は、特に男子が下ばっかりを向いて歩いている印象すらある。
私の周辺にも今の若者の気質や言動を憂えている人は多 い。

ギラギラとして目の輝きを持った日本人の若者は減ってきていると私も実感する。
バブル崩壊後の日本で育ったおおむね20歳以下の彼らは、
日本という社会の未来に希望が持てない。
少々頑張っても、今の大人たちを見ていると、頑張る意欲が萎えてしまうのも当然か。
先行きの明るい未来が無いから、無気力になるとしたら可哀想ともいえる。
その対比で、日本でも女性の強さが目立ってきた。

アジアの 彼らと比べると、コントラストがもっと明確になる。
中国やベトナムは、今は基本的に右肩上がりで経済が成長している。
街に足を踏み入れると喧騒、雑然とした中でも人々の熱気に溢れている。
そして、多くのリスクを孕みながらも、希望も可能性も沢山ある。
毎日の暮らしが少しずつ良くなり、少しずつ美味しいものを食べ、綺麗な服を着ることが
できる。頑張れば良くなる。
しかし、レールが存在するわけではない。
シンプルに今日よりも明日が良くなる可能性を持った国なのである。
自然と、人々の目線は上を向く。
元気になる。
特に中国は今や世界的に存在感を増してきた。
しかし、10年前はまだまだ未知の国だった。
製造業以外でいっても、IT産業も飛躍的に成長し続けている。
ITエンジニア達の多くは、スキルアップし、一流になりたい。
そして、金を稼ぎたい。
良い車に乗りたい。
中国を訪れるたびにこんな生の声をよく耳にした。
このハングリー精神でプログラマー達は、
努力し、日本や世界に認められるまでに成長してきた。
今やインドに 続き世界のIT産業の牽引役となりつつある。
総じていうと、若者の働く目的が日本とは全く違うのだ。

学生インターンをベトナムで実施することの目的は、
アジアという社会を実際に体験することだ。
特に、同世代の若者がどんな生活をし、
何を考え、何を目的に勉強しているか? 働いているか?
そして、遊んでいるか?
こういったことを体験すればよい。
それが、現地の会社での就業体験と重なればなお良いと考えている。
また、アジアでは大抵の国では、女性のパワーが際立つ。
女性活用が中途半端な日本よりも、
女性にとっても、大変魅力的な国なのである。
だからこそ、女性も男性も、アジアを体験すればよい。
そして、一度きりでなく、何回も足を運んで、アジアに触れていれば、
だんだんと、目覚めてくる。
そのまま現地で働いても良いし、そのまま現地のローカル企業に就職しても良い。

今のアジアは、何十年前かの日本であり、
まだまだ未知数で不確定なことだらけだが、
皆が明日が今日よりも良くなるという希望に満ちて、熱気や活気が充満している。
ここで生活し活動していると自然と上を向いて歩くし、
前に向かってチャレンジする気持ちが芽生えることは間違いがない。
そんな空気が溢れている。
10年後には、日本の新卒が当たり前のように、アジアのローカル企業に
直接就職する時代が来るこ とを目指して、インターン支援を始めようと考えている。



  
 
 
  
 






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