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2011年7月14日 【中国】
ハーバード式英才教育


北京華通広運物流有限公司
柳田 洋


 



写真は私が住んでいるアパートメントの入り口に掲げられていた広告です。

大学帽を被って座っている女の子の周りに、欧米人や中国人の先生が立っています。
哈佛(はーふぉー)とは、アメリカの名門大学・ハーバード大学のこと。
これは小中学生を対象とした、「ハーバード式英才教育」の広告なのです。

ゆとり教育を行って子供の学力が落ち、ようやく「このままではいけない」と
焦り始めている日本と違って、中国の受験戦争はどんどん激烈になっています。

一流大学に入るためには一流高校に、一流高校に入るためには一流中学に、
ということで、受験戦争はどんどん低年齢化しています。
その競争は今では未就学児にまで及んでおり、ある教育関係企業の方から聞いた話では、
同社の製品は3歳児用、4歳児用と、子供の発育に合わせて作っているのに、
中国の親たちは、3歳児には5歳児用を、4歳児には6歳児用をと、
無理矢理高度な教材を与えようとするので大変困っている、とのことでした。

こんな感じですので、物価高によって普段はきつく締まっている中国の人たちの財布の紐も、
こと子供の教育に関しては、緩みっぱなしになります。
特に、一人っ子政策続行中の今の中国では、両親と双方の祖父母の
合計6つのポケットから1人の子供におカネが惜しみなく注ぎ込まれます。

株もダメ、不動産もダメで、有望な投資対象がなくなりつつある今の中国では、
子供への投資が将来的に最も高くて確実な利回りをもたらしてくれる、
というのもある意味事実です。

そうした観点から見ていくと、この「ハーバード式英才教育」のような
教育産業は、今後、中国では非常に有望なビジネスに育っていくのではないかと思います。


 


 


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