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2011年8月1日 【ベトナム】
ベトナムの時間感覚


GABB Vietnam JSC 
代表 玉置 哲也




ベトナムと日本の違いを顕著に感じるもののひとつに時間感覚の差がある。
ベトナムでは、イベントごとなど、とにかく時間通りに始まらない。
弊社もベトナムでセミナーや交流会を開催しているが、
定刻になっても会場への入りが3割程度など当たり前である。


  

  


ビジネスでのアポイントにしても同様である。
もちろん私たちが訪問する場合は時間厳守で訪問しているが、
来社していただく場合は、時間通りに来社されないケースがまだまだ多い。

先日も私が日本に居る時に、顧客にベトナムのオフィスに来社いただき、
ベトナムと日本でTV会議で打ち合わせをしたのであるが、約束の時間に
なっても来られず、結局20分以上遅れて打ち合わせスタートとなった。
予定していた打ち合わせ時間は1時間なので、予定の半分くらいしかない。
打ち合わせの最初に、あと30分しか時間がないので、その前提で進めましょう
と言って打ち合わせを開始。
しかし、時間になっても相手は言いたいことをあれこれ話し続けて、
終わらせようとする気配がない。
遅れた時間は、そのまま延長できると思っているように話し続けるので、
最初にも伝えたように次の予定があるのでということで、打ち合わせを終了した。
遅れたからといって、それにあわせていては、こちらの予定まで狂ってしまうし、
そもそも遅れてもその分延長できるので問題ないと思わせてしまうことになる。

私たちが訪問する場合でも、相手が約束の時間に外出から戻ってないということも結構ある。
もっとひどい場合には、その日は用事が出来たので休みということさえあるが、
そういう場合でも、事前に連絡のないケースがほとんどである。

ただ、誤解しないでいただきたいのは、すべてのベトナム人が時間にルーズなのではなく、
まだまだそういう方が多いということである。
日本人にも時間にルーズな人はいるし、ベトナム人で時間を厳守される方も当然沢山いらっしゃる。

先日、私どものオフィスビルが発電機のメンテナンスのため、日曜日の8:00から
17:00まで停電となった。ベトナムでは、しばしば停電が発生する。
この停電は事前に連絡があったので仕方が無いが、急ぎの仕事もあり
日曜日もオフィスを使いたかったので、終了予定の17:00にオフィスに行ったが
まだ停電したままであった。
まあ、ベトナムなので時間通りには終わらないだろうとは思っていたが、それでは困るので、
ビルの警備員に復旧する時間を聞くと、なんと明日の朝になると言うではないか。
さすがにこれでは話にならないので、
片言の英語でビル管理会社にクレームを言うと返ってきた答えが、
作業員はもう帰ったので明日の朝にしか復旧しないというものであった。
いくらなんでも予定の作業も終了せずに帰りましたはないだろうと言うが、もう今日は復旧しない。
明日の朝になるとのことで、仕方なくオフィスを後にしたのである。


  


まだまだ「時は金なり」という、時間が大切という感覚がベトナムでは弱い。
時間に遅れたり、時間が延びたりするのは当たり前のことで仕方ないという
感覚である。

しかし、ここはベトナムだから時間は緩くてもいいという考え方を変えなければ、
せっかくのチャンスを逃すことにもなる。
特に、日本人がベトナムに行ったからといって、悪い意味で現地化してしまってはいけない。
日本では時間を守るのに、ベトナムでは時間にルーズになるのでは、ベトナム人
からも信用されなくなってしまう。

時間を守る。そして時間を有効に使う。それがお互いに利益をもたらすということ。
そして、国に関係なくビジネスにおいては時間を守るのは当たり前だということを、
行動で示していくのも、現地でビジネスをする日本人の務めなのだと考えている。


 




 

 



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