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2011年8月18日 【中国】
小康屋

北京華通広運物流有限公司
柳田 洋



日本語で小康(しょうこう)と言えば、病気や戦争が
一時落ち着いている状態を指しますが、中国で小康(しゃおかん)と言えば、
それは「いくらかのゆとりがある生活」を指します。

1978年の改革開放政策開始当時、鄧小平氏は「小康」を中国現代化の
目標に設定し、現在、中国共産党は2020年までに中国全土で
「小康」を達成することを目標としています。







写真は寧夏回族自治区の農村で撮った小康屋(しゃおかんうー)と呼ばれる
住宅です。
下の写真のように同じ形、同じ大きさの家がずらっと並んでいます。







住宅情報誌風に言えば、庭付き一戸建て平屋、3LDK、
レンガ造、2008年築、敷地面積400㎡、建築面積200㎡。
価格は10万元(125万円)だそうです。

郊外のマンション価格が2万5,000元(31万円)/㎡を超えている
北京の基準で考えれば、建築面積200㎡で10万元ならば
500元(6,250円)/㎡ですから、タダみたいなものですが、
現金収入が乏しい黄土高原の農民にとっては、
10万元は大金であり、小康屋はあこがれの存在です。

上の写真のお宅を見ても、屋根の上には太陽熱温水器や
パラボラアンテナが設置されており、豊かさを感じさせます。

中国政府が1日も早く全国的な「小康」を達成し、
中国の全ての農民が、窖洞(やおどん)と呼ばれる横穴式住居や
土壁の家から抜け出して、レンガ造りの小康屋に住めるぐらい
豊かになる日が来ることを心から祈っています。


 


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