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2011年9月8日 【中国】
大学入試点数付きマンション

北京華通広運物流有限公司
柳田 洋






写真は私の携帯電話に届いた天津のマンション販売の広告メールです。

簡単に日本語に訳すと、「48万元(576万円)で何が買える?
天津の戸籍を取って、お子さんに大学入試点数80点をプレゼントしては
いかが」というようなことが書いてあります。
この48万元のマンションは、買うともれなく、天津市の戸籍が付いてきて、
子供の大学入試の合格最低点が下がる大学入試点数付きマンションなのです。

全国大学統一入試、通称「高考(がおかお)」。
これは中国の大学入試統一試験です。
毎年6-7月に行われますが、どこの大学に入れるかは、この試験のみで判断されますので、
受験生本人のみならず、親たちの「高考」に対する力の入れようには
すさまじいものがあります。

ただ、この「高考」、受験生の戸籍がどこかによって、合格最低点が変わってきます。
具体的には地方戸籍の人よりも、都市戸籍の人の方が、
合格最低点が低くなります。
このためこの販売業者は「このマンションを48万元で買って
天津市の戸籍を取ることができれば、750点満点の「高考」で、
合格最低点が80点も低くなりますよ」ということを、売りにしているわけです。

バカな子供を持った田舎の金持ちを狙ったセールスですが、
合法的に80点も買えるならば、親バカの成金にとっては48万元など
惜しくも何ともないのでしょう。

拝金主義国家・中国では、子供の学歴でさえも、合法的にカネで買うことができるのです。


 


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