アジアブログ
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2011年10月27日
【中国】
皿洗い募集、月給1,800元
北京華通広運物流有限公司
柳田 洋
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当社の事務所が入っている
幸福大厦の1階食堂に貼られていた皿洗い募集の貼り紙です。
月給1,800元(2万1,600円)、更に、医療保険、労災保険など
4種類の社会保険も付ける、と書いてあります。
昨年、当社が採用した日本語を話せる新卒の新入社員の初任給が
2,000元(2万4,000円)でしたので、
皿洗いで1,800元というのは、非常に高い給料です。
この勢いでいくと、ホワイトカラーとブルーカラーの賃金の逆転は、
時間の問題かもしれません。
中国では今、ブルーカラーの労働者不足が深刻な問題となっています。
2008年に発生した金融危機への対策として、
中国政府が内陸部を中心に行った財政出動により、
中国内陸部には大量の雇用が生まれました。
このため、無尽蔵と言われていた
内陸部の余剰労働力はあっという間に底を突き、
沿海部の工業やサービス業の企業は、給料の引き上げや、福利の充実、
労働条件の改善などで、必死になって故郷に帰って就職しようとする
労働者を引きとめようとしています。
一方、大卒のホワイトカラーは、大量に余っており、
就職戦線は超氷河期状態です。
これは大卒者の増加率に、産業の高度化が追いついておらず、
まだ、それほどホワイトカラーの仕事が多くないにも関わらず、
大卒者がどんどん卒業してきてしまうために起こっている現象です。
大学を出ても仕事がなければ、
引く手あまたのブルーカラーの仕事をすれば良いのに、とも思うのですが、
「それでは何のために苦労して大学を卒業したのかわからない」
と考える人が多いようで、今のところ、ブルーカラーとホワイトカラーの
雇用の不均衡が解消される兆候はありません。
しかし、このまま雇用の不均衡が続けば、
ホワイトカラーとブルーカラーの賃金の逆転は確実ですので、
中国で「大卒皿洗い」が誕生するのも、
時間の問題なのではないかと思います。
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