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2011年11月4日 【中国】
辛亥革命100周年

北京華通広運物流有限公司
柳田 洋






今年、中国は1911年に起こった辛亥革命の100周年を迎えました。
写真は辛亥革命の発端となった武昌蜂起から
ちょうど100年目にあたる10月10日(月)に、
武昌がある湖北省の武漢で撮ったものです。
「辛亥革命の精神を盛り上げて、武漢を更に発展させよう」
というようなことが書いてあります。


辛亥革命を起こした孫中山(すんちょんしゃん、孫文)は
国民党の創設メンバーで、中華民国の初代大統領ですが、
中国を数千年も続いた王朝の専制から解放した「国父」として、
今の共産党中国においても非常に尊敬されています。
悪いのは全部、蒋介石(じゃんじえしー)なのです。


孫中山が民族、民権、民生の三民主義を掲げて起こした辛亥革命から100年。
現在の中国は、相も変わらず、王朝が中国共産党、
皇帝が国家主席に変わっただけの独裁体制を続けており、
三民主義の理想が実現しているとは言い難い状態です。


そして「独裁政権に汚職が蔓延して、
民衆の不満が高まっている」という清朝末期と酷似した現状から、
中国共産党は今回、辛亥革命100周年を迎えるにあたって、
「革命」の二文字の扱いに、非常に敏感になっていたようです。


「国父」・孫中山が起こした辛亥革命の100周年は盛大にお祝いして、
中華振興で国威発揚、台湾統一にはずみを付けたいが、一方で、
現在の一党独裁体制に対する革命を民衆が想起してしまう事態は避けたい。


中国共産党にとって、辛亥革命100周年は両刃の剣なのです。



 


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