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2011年11月10日 【中国】
積極的に選挙に参加しましょう

北京華通広運物流有限公司
柳田 洋






当社のオフィスがある幸福大厦の裏手の団地に掲げられていた横断幕です。
「積極的に人民代表選挙に参加しましょう、人民主権の権利を真剣に行使しましょう」
と書いてあります。


これは先日「人民代表選挙のお知らせ」でご紹介した、
朝陽区人民代表選挙への投票を促す宣伝です。


今、中国では「ネット民主主義」、「暴動民主主義」、
「静かなる抗議民主主義」など、様々な非公式ルートを通じて、
国民の民意が国政に反映されるようになってきています。


それは、人民代表選挙制度という民意を国政に反映させる公式ルートが
全く機能していなかったため、
豊かになって権利意識が芽生えた民衆がインターネットで横につながり、
非公式の民意反映ルートをどんどん開発していったためです。


しかし、このまま非公式ルートばかりが発達してしまうと、
「民衆 対 中国共産党」という対立の構図ができてしまい、
「民衆に中国共産党が打倒される」という事態が起こってもおかしくありません。
このため、今、中国共産党は自ら民主主義化を進めていく必要に迫られており、
人民代表選挙制度という公式ルートを機能させることにより、
民衆の民意を国政に反映させる方法を、
非公式なものから公式なルートに戻そうとしているのです。


「独裁政治」と「人民主権」は、一見、矛盾する概念に見えますが、
マルクス主義において「プロレタリアート独裁」と「人民主権」は全く矛盾しません。
中国共産党の失敗は、プロレタリアートの代表として独裁政権を預かっているにも関わらず、
既得権益に目がくらみ、自らブルジョワジーと化して、
マルクス以前の19世紀の専制政治に戻ってしまったことです。


中国共産党にはこの辺でマルクス主義の基本に戻ってもらい、自らが変わることによって、
「プロレタリアート独裁」と「人民主権」の真の両立を果たして頂きたいものだと思います。



 


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