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2012年1月5日 【中国】
農場を買いませんか?

北京華通広運物流有限公司
柳田 洋





私の携帯電話には、毎日、
短信(どぉあんしん、ショートメッセージ)で様々な広告が届きます。


やはり圧倒的に多いのが、
「マンションを買いませんか?」という不動産販売会社からのものなのですが、
不動産価格の下落傾向が明らかな今、マンションを買う人はほとんどいないらしく、
同じ不動産でもマンション以外の広告が増えてきました。


写真はその内の一つ。
「農場を買いませんか?」という広告です。
内容を見てみると、北京市の東の郊外、通州区潮白河沿いの400㎡の農地が、
約20万元(240万円)で売られています。
「緑色の田園生活に戻って、野菜を植えたり収穫したり。楽しいですよ」と書いてあります。


400㎡で20万元ということは、1㎡当たり500元(6,000円)。
もちろん、土地だけの値段ですし、通州区の中でも辺鄙な所なのでしょうが、
それでも不動産バブルのときに、同じ通州区のマンション価格が、
1㎡当たり2万5,000元(30万円)まで高騰したことを考えると、
バブル経済がいかに人の正常な感覚を狂わせるか、ということがよくわかります。


中国の不動産価格が右肩上がりだった頃は、
マンションの購入を勧める不動産販売会社の短信広告も
「早い者勝ち!売り切れ御免!」とか、「値段が上がる前に買え!」など、
非常に煽情的なものが多かったのですが、右肩下がりとなった今となっては、
不動産のキャッチコピーも、「田園生活、楽しいですよ」と、ずいぶんとまったりしてきています。


今回の不動産価格の下落は、拝金疲れした中国の人たちにとっては、
ちょうどよい「一回休み」となるのかもしれません。




 


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