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2012年1月11日 【中国】
家政婦、派遣します

北京華通広運物流有限公司
柳田 洋






「家政(じゃーぢょん)」の大きな文字。
写真は「家政婦、派遣します」の看板です。


日本では「家政婦を雇う」というと、大金持ちの家、というイメージがありますが、
中国では共働きの夫婦が多いため、普通のサラリーマン家庭でも、
家政婦を利用することが多いようです。


家政婦の仕事の内容は、掃除、洗濯、買物、炊事、子守と多岐にわたります。
仕事の内容にもよりますが、お給料はスポットの仕事で、時給20元(240円)前後、
フルタイムの仕事で、月に2,000-3,000元(2万4,000円-3万6,000円)が
だいたいの相場のようです。


北京で月給2,000-3,000元というと、肉体労働では現場監督、技術者レベル、
事務職では大卒初任給よりちょっと低いぐらいですので、悪い給料ではありません。
それだけ需要も大きいということなのでしょう。


普通のサラリーマン家庭の奥さんが、専業主婦にならず、家政婦を雇ってでも、
自らが働きに出る背景には、家政婦に月給2,000-3,000元を払っても、
自分が外で月給5,000-6,000元(6万円-7万2,000円)を稼いでくれば、
半分ぐらいは手元に残り、旦那の給料と合わせて、より豊かな生活ができる、
という合理的な判断があります。


また、誰にでもできる家事は、家政婦に任せて、女性も自分の能力を最大限に発揮できる、
より付加価値の高い仕事をするべきだ、という考え方が社会に浸透していることも
中国で専業主婦が少ない理由の一つなのではないかと思います。


労働力人口が減少しているにも関わらず、
「高学歴専業主婦」という非常に贅沢な潜在労働力を抱える日本。
中国における家政婦とホワイトカラー女性の分業関係のように、
国民1人1人がその持てる能力を最大限に発揮できるように、
労働力の再配分を行えば、日本は労働力人口が減少していく中でも、
1人当たりが生み出す付加価値を底上げし、まだまだ経済成長をすることが
できるのではないかと、私は思います。




 


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