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2012年3月1日 【中国】
人民解放軍のキャデラック

北京華通広運物流有限公司
柳田 洋






私が住んでいるアパートメントに停められていた人民解放軍ナンバーのキャデラックです。


中国の車のナンバーは、通常は青いプレートに白抜きの数字、
外資系企業の車は、黒いプレートに白抜きの数字なのですが、
特殊車両のナンバーは、白いプレートに赤字の所属と、
黒字の数字という構成になっています。


白いプレートの車には、写真の「軍」ナンバーの人民解放軍の他、
「WJ」ナンバーの武装警察(武警=WuJing)、「使」ナンバーの大使館の車などがあります。


「使」ナンバーの車は、各国がそれぞれの国の予算で買っているわけですし、
国家のメンツの問題もありますので、
いくら高級な車が走っていても、腹は立たないと思いますが、
「軍」とか「WJ」ナンバーの高級車が、交通法規を全く無視した乱暴な運転で、
走り去っていくのを見て、
不愉快な思いをしている中国の人たちも多いのではないでしょうか。


写真のキャデラックSLS賽威(さいうぇい、セビル)も
50万元(600万円)前後するアメリカを代表する高級車です。


人民解放軍の軍人が仮想敵国であるアメリカを象徴するような車に乗る、
というのもどうかと思いますが、それ以前の問題として、
中国の国民が「軍」ナンバーを付けた高級車を見たときに、
どういう感情を抱くか、ということに、もっと心を砕くべきなのではないかと思います。


私個人的には、人民解放軍の軍人ならば、
黙って純国産の「紅旗(ほんちー)」に乗るべきだと思うのですが、
どうせ予算が使えるのならば、デザインも性能も乗り心地も良い、
外国メーカーの車を買おう、ということになってしまうのでしょう。


中国と中国人民を守ってくれる存在として、多くの国民の尊敬を集める人民解放軍。
しかし、あまりやりたい放題が過ぎると、中国共産党と一緒に、13億国民から
「No !」を突きつけられる日が来ることも大いにあり得るのではないでしょうか。

 


 


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