アジアブログ

 

 
 

2011年1月31日 【ベトナム】
星越ベトナムレポート 第5巻

村上 博治



1か月の経済の動き

 


① 世界経済


  米国景気は昨年第4四半期のGDP成長率が3%台の伸びを回復するなど、底堅い推移がみられました。特に個人消費の伸びが数字に寄与しているようです。雇用情勢の改善がみられる上に、企業にとってプラス要因の減税措置も延長されるようですので、米国は景気上昇のサイクルに入ってきたと思います(日本も早くそうなってほしいものです)。一方、豪州やブラジルでは洪水などの天候不順によって農作物に大きな被害がでました。原料の高騰によって今後経済にどう影響がでるのか注目です(すでに原油はかなり高いです)。
  また、昨年中国がGDP世界第2位になったとみられ、胡錦濤国家主席は米中が世界の2大大国であるとアピールしていました。しかし、名実ともに世界第2位の経済大国になったとは思えません。世界第2位の経済大国において大学を卒業した若者が「就職先がない」と不満を抱えて暴動を起こしたりするでしょうか。

 

 

 

② ベトナム経済


  2010年のベトナム経済成長率は、世界経済の回復が不透明な状況の中目標の6.5%を上回り6.78%を達成しました。ただし、経済成長率自体は好調であるものの、第 3 四半期以降は急速な物価上昇、自国通貨ドンの不安定化などでマクロ経済状況は不安定化しつつあります。政府は 2011年の社会経済開発計画の最重要項目としてマクロ経済安定とインフレ抑制を掲げていますが、うまく舵取りを行えるか注目です。特にベトナムのGDPは個人消費が7割を占める(アメリカと同じ)ので、持続的な成長のためにもインフレ抑制は重要な課題といえます。

 

 

③ 今月の話題


今月は書籍“ベトナム経済発展論”をお勧めしたいと思います。
ドイモイ以来のベトナム経済の発展の分析の鋭さ以上に、これからの持続的発展のために、どのような新たなるドイモイが必要かを分析しています。これから中所得国して発展していくベトナムの課題を鋭く述べているのには、大変新鮮味が感じられました。作者は日本在住のベトナム人の学者さんですが、一度会ってみたいと思いました。

 

 

④ 星越ベトナムファンド


  マーケットが旧正月の長期休場のためキャッシュ部分を多くし休場明けに備えています。旧正月明けには再度為替調整があるかもしれません。

 




 

街角レポート

ベトナムの今をお伝えします
旧正月(テト)

このシーズンの話題はやはり、旧正月の街角でしょう。

旧暦年末一週間前くらいになりますと、いきなり通りに花屋や、果物や、その他様々なお店ができ始めます。ベトナム人も街角に金柑や桃の鉢植えが並び始めますとお正月気分が高まってくるようです。そして、昼間から人がお店や通りにあふれる様になり、渋滞はよりひどくなり、タクシーがつかまりにくくなります。さらに1月31日から2月7日までマーケットがお休みです。世界に何か起こったらどうするのでしょう。


        金柑です

 

 



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