アジアブログ

 

 
 

2010年12月31日 【ベトナム】
星越ベトナムレポート 第4巻

村上 博治



1か月の経済の動き

 


① 世界経済


  米国金利の上昇による円安(といってもまだまだ円高なのですが…)をうけ、日経平均は1万円台をキープしたまま年末を迎えることができました。米国も道半ばですが、堅調に回復しつつあると様々な数字がでてきていますし、何よりダウ平均が上昇してきています。このまま右肩上がりに世界経済が回復してくれればいいのですが、欧州不安がピークアウトするまではそうもいかないのが現状です。年末にはムーディーズがポルトガルを、フィッチがギリシャを、それぞれ格下げ方向で見直しを発表し、さらにフィッチはポルトガルとハンガリーの格下げを決定するなど欧州不安を高める材料が相次ぎました。2月にはまたストレステストが実施されますが、昨年7月実施分のように査定が甘いと信用不安を助長することになりますので要注目です。

 

 

 

② ベトナム経済


  11月の財貨・サービスの小売販売は、引き続き堅調な消費が続き年初 11 か月で対前年同期比 25.0%増の 1,425 兆ドンとなりました。物価上昇の影響を除いた場合は、同 14.7%増です。12月・1月はクリスマス商戦やテト(旧正月)に向けて消費意欲が例年伸びるため、数字の増加が見込めます。ベトナム国内は、確実に経済回復・成長していると言えるでしょう。そんな中、11 月 8日に国会にて 2011 年の社会経済発展計画が採択されました。経済に関する主な指標は経済成長率 7-7.5%、物価上昇率は 7%以下、輸出額を 10%増加、貿易赤字を輸出額の 18%以下、社会開発投資額は GDP の40%程度にするとのことです。成長率は達成できると思いますが、いかにインフレを抑えるかがカギとなりそうです。

 

 

③ 今月の話題


12月は外人投資家や個人投資家の資金流入から株式市場、特に小型株が買われました。この場で推奨しましたパラカ(4809)薬王堂(3385)もこの流れに乗って上昇しております。この場で改めてパラカを推奨したいと思います。予想外の好決算にも関わらず、来期予想を保守的にしており、来期に期待感があります。また東証のマザーズ改革に乗って、近い将来東証1部上場も予想されます。
まだまだ安値圏ではないでしょうか。
薬王堂は2月決算ですので、高配当取りの買いが予想されます。

 

 

④ 星越ベトナムファンド


  今月は上昇しました。うまく高配当、有償割り当て増資もあり堅調です。これから旧正月に向けてさらなる上昇が期待されます。

 




 

街角レポート

ベトナムの今をお伝えします
為替レート表示

このシーズンの話題はやはり、旧正月の街角でしょう。

ベトナムの通貨はベトナムドンです。貿易赤字の拡大傾向から外貨に対して弱含みですが、その為替レートの表示に不思議な現象があります。現在中央銀行が発表しているレートは1US$=19,495ドンです。ところがTVのニュース番組で各国の通貨レートをAU$=0.991US$,AU$=20450VNDと表示していました。これは計算があわないのでおかしいのですが、実はベトナムでは中央銀行のレートとは別に「市中レート」が存在するため、良くこのようなことがあります。ベトナム庶民は中央銀行のレートなど全くお構いなしです。ホーチミンの中心街にはマネーチェンジャーを見かけますが、ハノイでは宝石屋がこれに当たります。レートはその日次第、この制度はぜひ改めてもらいたいものです。日本レストランでもその店によって為替レートの取り扱いに開きがあり、利用者も困惑しますが経営者も大変だと思います。現在一番賢いやり方は、円を米ドルに変え、それを市中交換屋でドンに変えることです。早急な改善が必要ですね。

 

 



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