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2011年12月31日 【ベトナム】
星越ベトナムレポート 第16巻

村上 博治



1か月の経済の動き

 

① 世界経済


世界経済は欧州危機発生以来、停滞を続けていますが、12月もその動きの中にあります。来年を予想するエコノミストは欧州総悲観です。来年はフランス、アメリカの大統領選挙を控えています。政治的空白や経済政策の停滞が心配ですが、政治的混乱を避ける事や、継続的な経済運営が重要です。為政者の英知に期待したいです。(もちろん日本も含めて)

 

 

② ベトナム経済


  今年のGDP成長率は目標より低く5.89%程度に終わったようです。特に高いインフレに悩まされた1年だったと思われます。インフレ退治の為に金利も高め誘導になり、貸出金利が常に20%を超える状態が続きました。
その為、多くの企業がクレジットクランチに陥り、倒産が増大しました。
おそらく銀行の不良債権も増大していると思われますが、各銀行の発表では3%以下に収まっています。しかし株式マーケットは不動産・建設株を中心に上場来安値を更新する企業が増大し、この発表に不信認を突き付けています。政府、中銀は、来年はインフレを抑えて、金利を低め誘導し、貸出金利を下げるための金融緩和を行うとともに、国営企業中心の経済に規制緩和を進めて、民間企業家を育て、中小企業を中心とした裾野産業を育てる政策を推し進めて行かなければ、中進国としての発展は難しいと考えます。

 

 

③ 今月の話題


今月は欧州、アメリカ等クリスマス休暇を楽しむ為か、何とか悪材料を表にだすような議論を避け、音なしだったような感じがあります。ただ不気味にユーロは対米ドルで下落を続けています。又欧州系の金融機関の人員削減の記事がニュースの片隅に良く出ています。2012年はすべてのエコノミストが欧州危機の深刻化と欧州マーケットの下落を予想していますが、このようなとき、マーケットは少しの良い材料に反応して、急な戻りがある時があります。このような現象はまさに売り時だと思います。必ず1年以後にさらなる欧州経済の悪化が出てくるでしょう。決してマーケットの動きに順張りで向かってはいけないと思います。日本マーケットも同様な動きが予想されます。

 

 

星越ベトナムファンド


今月ベトナムマーケットは、上場来の安値を更新していく情けない動きでした。インフレ、金融引き締めの動きの中、投資家は買いに動けません。
出来高がなく閑散とした中、小口の売りで値を下げました。世界的景気後退の動きに少なからず影響を受けています。しかし当ファンドは、ここはポジションを増加させるチャンスと考えます。優良株の上場来安値銘柄が狙い目です。星越ファンド:0.857US$です。

 




 

日越 街角レポート

ベトナム人の反応は?

今年は激動の年でしたが、世界や日本の受け方とは別世界にベトナム人庶民はいます。ベトナム人の反応を挙げてみますと  1大震災と福島原発事故―これはベトナム人の関心度は高く、長い海岸線を持つベトナムに津波の恐怖とこれから原発建設リスクを考えたみたいです。  2なでしこジャパンのWC優勝―これは全く反応なしでした。女性のサッカーWCがあるの?と言った感じです。ベトナムでは子供でもサッカーは男子だけが関心があるみたいです。3中国鉄道事故―これはベトナムでも大きく報道されたこともあり、若い方も関心がありました。ベトナム人には中国大嫌い人間が多く、その影響もあるのかと思いますが、反応大です。4タイ洪水―ほとんど関心なし。ベトナムでも南部、中部の洪水がひどく、自国災害の方に関心が集まったのは自然です。     5欧州経済危機―ほとんど関心なし。ユーロ通貨自体になじみがなく、ベトナム人にとってEUは遠い国なのでしょうね。   6中東激変とカダフィ―もちろん関心ゼロです。イスラム教など考えたことはないでしょうね7北朝鮮金正日死去―若者10名にキムジョンイルを知っていますかと聞きましたが、誰も知りませんでした。しかもKoreaに北と南?二つのKoreaがあることにびっくりしていました。

 

 



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