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2012年7月19日 【中国】
豪邸市場3万元台回帰


北京華通広運物流有限公司
柳田 洋




不動産価格抑制政策を継続する中国政府。



しかし、公有地の売却により、火の車の財政を少しでも立て直したい、
中国の地方政府が、中央を意向を無視して
緩和政策を進めているため、中国の不動産価格は
高止まりが続いています。



そんな中、唯一、価格の下落が激しいのが、
豪邸市場です。
写真は人民解放軍系の不動産会社、
保利が売り出している豪邸の広告ですが、
「5万元の豪邸市場を、3万元時代に回帰させる」
と書いてあります。
5万元(62万5000円)/㎡の豪邸市場価格を、
3万元(37万5000円)/㎡台まで戻す、と
時代の先駆者のような言い方をしていますが、
要はそのぐらい値引きをしないと
どうにも売れないということです。



2007年までの不動産バブルの時代には、マンションと同じく、
郊外に建てられた一戸建ての豪邸も飛ぶように売れました。
しかし、バブルがしぼむと、
①北京の街から遠く、交通が不便
②面積が大きいので物件の絶対額が高い
③故に、もう値上がりが期待できない
などの理由から買い手が付かず、
通勤族の実需がある市街地のマンション価格が
高止まりしているのに対し、郊外の豪邸価格は、
大きく値下がりしました。



ただ、不動産開発の仕事は、土地の取得から販売まで
何年もの歳月がかかり、市場の動向に合わせて
小回りを利かすことができない巨大空母のようなものですので、
豪邸開発プロジェクトを始めてしまった不動産開発会社は
仕方なく、大幅な値下げ販売をして、資金繰りを確保するしか
ないのでしょう。



土地の価値がほとんどない、ど田舎に建てられた数々の豪邸。
不動産バブルのときには、値上がり期待でたくさんの投機家が
殺到しましたが、これらの砂上の楼閣の価格が、
平米5万元に戻ることは、二度とないのではないかと私は思います。




 


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