アジアブログ

 

 

2012年10月15日 【中国】
この時期の中国で感じたこと


ブレインワークスグループ CEO 
近藤 昇




今月の上旬、上海・蘇州を訪問した。
中国と日本で色々とあった時期だけに中止するかどうか一瞬の迷いも生じた。
だが、大事な古い友人、陳さんに会う約束であり予定通りに行動した。
短期間だったが、今後の日本のアジアビジネスについて、
中国の関わり方を再認識できたことがあり、実に有意義な3日間であった。



今回のブログには、普段から中国や上海について色々と思うところもあり、
それにあわせて道中記を徒然なるままに書いてみようと思う。
実は4年前に始めたこのブログの連載の初回は上海がテーマ。
その時のテーマも友人の陳さんに会いに行ったことだった。
節目には上海での陳さんとの再会がある。



あれからたった4年しか過ぎていないのに
上海の変わりようには驚いてしまう。
もっとも、当社がビジネスの主戦場としている
ベトナムや東南アジアの変わりようも驚異的なのだが。
比べて、日本だけが変化のない国になってしまったともいえる。
とりわけ巨大都市上海の変貌ぶりにはわが目を疑うばかりだ。
人類の英知の結集というか、欲望の塊というか、
人間の凄みと怖さ、それと脆さやはかなさが入り混じった
不思議な感覚に陥る都市だ。
この4年の間にも、実は何回か上海には行ってはいるが、
今回のようにじっくり都市や街を見て回ったのは初めてだ。
しかも、上海人の友人の同伴なので中国人目線も少しは味わえる。
入国してすぐは、時期が時期だけに・・・
何かと日本人に対する目線も意識しがち。



陳さんと食事しながら、彼がしみじみと語りだした話を聞いて、
激動の人生を少しは実感することができた。
20年以上前、自国の未来を悲観して
陳さんら多くの人たちが米国や日本に出ていった。
当然、一方で残った人、残らざるを得なかった人も沢山いる。
出ていったものは先進国で
それなりに豊かな暮らしをしている人も多いだろう。
一方で、残った人の中には中国の想像を超える進化、
変化に戸惑っている人も多いはずだ。
そんな中、急激な発展の流れに乗って、
超富裕層になった友人もいる。
陳さんの友人達にも多くいるという。
何もかもが誰にとっても想定外なのだ。



「人生わからないね」



陳さんはそう漏らす。



人生は常に選択の連続だ。
私ぐらいの歳になると当たり前のように経験している。
それにしても、陳さんの語る中国の二者択一に、
改めて人生の不思議さを感じる。
私は、外国人として20年前からこの国を眺めているが、
中国人から見たら、今の発展ぶりはどの中国人にとっても、
信じられない世界なのだと思う。

 




さて、2日目の夜は、
念願の超高層階からの上海の夜景を堪能することができた。
今まで悪天候で何回もチャンスを逃していたから素直に嬉しい。
浦東の新都市で100階立ての超高層ビルの夜景には、
感動を超えて驚愕。
改めて、人間が作り上げたものであることの恐ろしさを実感できる。
時々、新都市の変貌振りを感じたくてこの場所には足を運んでいるが、
留まることなく増殖する高層ビルの数々。
人間は一体何を求めて、どこへ到達したいのか?
上海は誰の目からも世界一を目指してまっしぐらなのだろう。
高層ビルや都会のスケールでは、
とっくに東京やニューヨークを追い越している。



 






このビルの1階には3つの大都市を比較するPRコーナーがある。
その点に人間の俗っぽさ、卑しさも感じる。

 





昼間に行った蘇州も噂にたがわぬ発展ぶり。
少し前に、大きなデモや暴動があったことが信じられないぐらいに
普段の中国を感じた。
大きなお寺にも行った。
ある意味では中国で初めての観光だ。
なんと奈良のお寺にそっくりではないか!
勉強では知っていたが、目の当たりにすると
お互いに繋がっていることを実感。






日本の商品を中国に売り込むための大きなプロジェクトの現場も
2つ見学した。
日本のメディアやウェブで発信されている様子とは随分違い、
相当遅れていることがわかった。
もちろん、今回の騒動の影響もあるだろう・・・。
確かにこういう遅れはアジアではよくあること。
妙に納得した。
だからこそ、日本で流れている情報は鵜呑みにしてはいけない。



 


ビジネスパートナーでもある陳さんとは、
共にアジアとアメリカを股にかけたビジネスを展開しようと考えている。
カリフォルニア、ホーチミン、上海、そして日本。
たまたま、お互いの巡り合わせで
これだけの都市を繋げたビジネスができる。
これから、益々ビジネスの範囲は広がっていく。



そして、とてつもなく速いスピードで
際限なく発展する上海に触れて改めて思う。
ビジネスは結局、何をするかも大切だが、
誰とするかがより大切だということを。
国と国との関係を超えた個人の信頼関係。
これが一番大切だ。
騒動があった中で、現地に行ってみて、再認識できた。
人と人の繋がりで国境、国籍を超えて繋がっていく時代だ。



私と陳さんの最初の出会いは平成元年にさかのぼる。
それ以降、日本も中国もベトナムも
そして自分たち自身も色々と動き、変わった。
そして、行き着く先でまた出会った。
これからが本当に楽しみになってきた。
数年先に上海の地で陳さんと落ち合うとき、
中国や日本、そしてアジアや世界は
どのように変わっているのだろうか?
そう考えると、今からワクワクする。





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