アジアブログ

 

 
 

2009年1月16日 【シンガポール】
アジアと行き来して約3年、
「脱欧入亜」な自分がいた


岩田 朋之

 仕事で縁を得てこの約3年間、パスポートが出入国スタンプでほぼ満載になる位の頻度でASESN各国を出張した。シンガポール、マレーシア、バリ島(インドネシア)、タイ、フィリピンと何故かASEANの中でも南側に位置する国に行き先が集中した。

  この3年を振り返り、自分自身が「変わったな」と確信できることが一つある。一言で言えば「脱欧入亜」。あれだけ西洋、特にヨーロッパかぶれだった自分がすっかりアジア好きになってしまった。

  たまの海外旅行ともなればイタリアやフランス以外に選択の余地はなく、「東南アジアは暑いだけ」と、魅力など全く感じていなかった自分がよくもこれだけ変わったものだと思う。週末にテレビをつけていてクアラルンプールやバンコク、バリなどがたまたま映っているのを見かけると、思わず画面に釘付けになる。そして「ここ、いいとこだよ…」とひとしきり家族に「語り」を始めずにはいられない(皆、内心「また始まったか」と呆れているに違いない)。


  そんな私が体感してきたアジアの魅力、特にこの場ではビジネスという観点からの魅力をこれから少しでもお伝えできればと思う。

  ビジネスと書いた矢先にメンタルな話になるが、アジアの何が好きかといえばやっぱりまずは人である。様々な親和性を感じる。肌の色の近さもあるし、私がホッとするのは恐らくアジア系の人にしか共有できない「笑み」で間を取り、人間関係を和らげる術である。といっても白い歯を見せてニコッと微笑み、握手を求め、自分を前に押し出す感じの西洋風の笑みではない。どちらかといえば照れ、はにかみと内気さが覗く、一歩後ずさりするような感じがアジアの笑みかなと感じる。そこが私には魅力だ。

 
頼んでいた仕事が遅れた時などにこの笑みを巧く使いこなし、未然にこちらの怒りを抑えるという手練手管に長けた輩も多い。こうした彼らのしたたかさに私は怒りよりも憎めなさを感じてしまうタイプである。

  この「笑み(アジアンスマイル)」をコミュニケーションツールとして捉えた場合、それはビジネスの現場でもとても重要な役割を果たしていると思う。西欧人にはこれが不可解と映ることが多いようだが、結構アジア人同士では受容しあえるものではないかと感じる。

  また、毎回感じることだが、アジアにはあちこちビジネスの素材が転がっている。街を歩くだけで、ホテルに泊まるだけで、島を車で巡るだけで見えてくるものがたくさんある。そんな小さな発見、雑感もちりばめながら次回以降、体験に基づく具体的なお話をさせていただければと思う。 



  今回はここで終わらせていただこうと思っていたら、シンガポールのローカル紙

 「THE STRAITS TIMES」のウェブ版で「ユニクロが今年4月シンガポールに第一号店をオープン」という記事を発見した。それも目抜き通り、オーチャード通りにあるショッピングモールへの進出らしい。

 ご他聞に洩れず金融立国シンガポールも現在不況に見舞われている。まさに好機を得ての一号店進出、さすがだなと感じ入った。(ちなみに意外なことだがあれだけの経済水準を誇るシンガポールの地元英字紙はTHE STRAITS TIMES一紙しかない。行く度に不思議だなと思う点の一つである。)

 
 


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