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2009年3月17日 【ベトナム】
常識…日本VSベトナム
未知の世界

郷 康晴

 ベトナム人の気質、というか彼らの思考がよく見える一例として、交通状況から一つ。


  慢性的な交通渋滞、車の窓越しにバイクの集団を見ていると、皆同じ速度で少しづつ前に動いているように見えます。しかし、それは私達日本人の常識で見ているから。中に入ると、実は物凄い凌ぎ合いがあり、少しでも人の前に行くために前タイヤを無理やり人の前にねじ込んだり、歩道に乗り上げてまで人の前に割り込んだり…。一台追い越したからといって、渋滞から脱出できないのに。よく喧嘩にならないな、と思うほど凄まじいのですが、割り込まれた方も気にしてる様子は無い。


  交差点を左折(日本では右折)する時も、日本の常識を基に考えると対向直進車が行くのを待ってから左折しますが、ここの人は我先にと左折する。最近、交通警察が直進車を優先させるよう交通整理(指導)しているのを見かけますが、皆一向に従おうとしない。


  何故か?自分の事しか考えていないから?


  …私はこう考えます。理解できないのです、今の彼らでは。自分たちの行動が交通渋滞の大きな要因になっている事を。なぜならバイクの量が増加したのはここ何年間かの話。2000年の登録車数は650万台、それが2010年には約3.5倍の2400万台になると予測されています。


  何年か前までは何をしても渋滞など起きない。従って、運転している本人、見本となるはずの両親や年配者にとって、現在の交通量は未知の世界。当時は交通警察も、交通整理などする必要もありません。


  それが今の彼らの常識。これは決して交通ルールのみでは無く、他のすべての事にも言えるのではないでしょうか?彼らには知らないが上の彼らの常識があるのです。


  ここで既に操業している日系企業で勤務している日本人の方々は今更、と思う方も多いかとは思いますが、私たち外国人は、外国人の常識を持って彼らと接するのではなく、彼らの置かれた環境を読み、彼らの常識を理解した上で彼らと接する事、どうやらこれが物事をスムーズに行うために一番大切な事のようです。



 


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