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2009年3月12日 【中国】
前門大街

北京華通広運物流有限公司
柳田 洋

 これは映画のセットではありません。






 


  昨年の北京オリンピックに合わせてリニューアルされた前門大街(ちぇんめんだーじえ)です。

  一番奥に見える前門はホンモノですが、歩行者天国になっている通り沿いにある建物は全て清朝末期から中華民国時代に前門大街に建っていた建物を模して新たに建てられたものです。

  道の真ん中にある2本の軌道には、真ん中の写真のようなこれも昔の路面電車を模した観光用の電車が走っています。

  そして一番下の写真は、1830年創業の老舗のシルク製品屋さんです。

  前門大街と言えば、リニューアル前はたくさんのお店と人がごったがえすカオス状態の場所でした。

 しかし、それがまた雑然とした古き良き北京の下町の雰囲気を醸し出していました。
 
  北京市政府はこの前門大街を、上海の「新天地」のような新たな北京の観光の目玉にしよう、ということで、リニューアルを行ったのだと思いますが、なんとなく「作りもの感が強い中国風テーマパーク」、と言った感じの場所になってしまいました。

  そして残念ながら昔の前門大街の雑然としたホンモノの下町風情は消えてしまいました。

  古い街並みはいずれは再開発が避けられないことは理解できますし、昔の街並みを模してリニューアルをした努力も認めます。

 しかし、中国政府は一度壊してしまったら二度とは再現できないホンモノの街の「空気」というものがあることを良く理解すべきであると思います。


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