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2009年4月22日 【中国】
580万円値引き!

北京華通広運物流有限公司
柳田 洋

 世界的な金融危機による中国の景気の減速により、北京の不動産価格も下落に転じているようです。写真は当社オフィス近くに建設された新築高級マンションのチラシです。



 


  「直降40万(ぢーじゃんすーしわん)」、つまり「定価から40万元、一気に値引き」と書いてあります。


 40万元と言えば580万円。思い切ったものです。更にこのチラシを良く見ると、「全ての家具、電化製品をプレゼント」とか、「頭金30%で20年のローンを組めば、最初の2年間はローン返済猶予」など、これでもか!というぐらい、お得な特典を付けて、お客さんに買ってもらおうとしています。


  しかし、この高級マンションは東三環路の内側ですので、平米単価は安く見積もっても25000元(36万円)。3LDK、150㎡の部屋であれば価格は375万元(5400万円)。元々の価格が5400万円では580万円値引きしてもらっても、4820万円ですので、いくら住宅ローンが用意されていても、こんな高額の物件を買える人はごくごく限られてきます。


 ほんの1年半前までの不動産バブルの時期には、更なる値上がりを期待して、親類縁者からカネを借りまくってでも買う人がおり、こんな高額物件でも飛ぶように売れていきました。


  しかし、不動産市況の先行きが不透明となった今、北京の人たちは今後の値上がり値下がりに関係なく、その不動産自体の絶対的な価値を、冷静に見極め始めているのではないかと思います。



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