アジアブログ

 

 
 

2009年5月18日 【ベトナム】
常識…日本VSベトナム

郷 康晴

 合理的な販売システム?

 日系企業であるお客様から依頼を受け、ある製品のベトナムでの生産委託先を検索していた時の出来事。


弊社ネットワークで得た情報から、有望な企業を数社選択し、アポイントを取るために電話をかけたのですが、対応してくれた女性に担当者へ繋いでもらうお願いをしたところ、セールスの担当者は出社していない、とのこと。 


  では、掛け直す、というと、その女性から発注製品、数量などの情報を求められ、伝えたところ「我社ではその製品の生産は無理です。」と担当者と話をする事なく断られてしまいました。その会社のホームページには同様の製品が載っているのに・・・。


  断られてしまったからには他をあたろうと思い電話を置こうとしたら「我社と取引が有る、製造が可能な工場を紹介します。」というではありませんか。この誘いに、私も「有難う。では連絡先を教えて下さい。」とお願いをすると「それは出来ない」との答。彼女が言うには、その会社は少し分かり辛い所にあるので、先ずは一緒に行き、その後商談を始めてはどうか?と…


  待ち合わせをすると彼女の旦那だと名乗る男性が来て、連れて行かれた工場で見積もりをお願いする事になったのですが、何かが腑に落ちない。


  見積もり依頼先の担当者と何度か会い、話を聞き出しているうちに次の事実が判明しました。


  この工場に連れて来てくれた彼は、もともとは私が最初に電話をかけた大手企業に勤務していて、そこで知り合った女性(ここを紹介してくれた女性)と職場結婚した。その後、工場と付き合いのあった原料の供給業者に転職し、そこの顧客であったこの工場の社長と知り合いになった。


  それから、大手企業の顧客を紹介し紹介料を貰うようになり、電話が掛かってきた時はいつもこの手を使い、客を盗っている…と。


  結局、価格の面で折り合いがつかず、並行して商談をしていた他社へ発注する事になりましたが、品質や価格、条件などが合えば発注していた可能性もある訳です。


  自社の人間が受けた引き合いを社に内緒で同業他社へ流し、紹介料を貰う…。


  少し考え辛い事ですが、私が経験した事実です。義理も人情も有ったものじゃないですよ。こんな事があちこちで繰り広げられていると思うとホントに恐ろしいところですよ、ここは。




 


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