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2009年6月4日 【中国】
トロリーバス

北京華通広運物流有限公司
柳田 洋

 北京の街には以前から写真のようなトロリーバスが何路線も走っています。




 



  トロリーバスの特徴は、路線に沿って架線を張り、バス本体の上部についているトロリーポールを使って架線から電気を取り込み、電気モーターで走るところです。


  以前はトロリーポールが架線からはずれると、電気の供給が止まり、バスが動けなくなってしまいますので、車掌がバスから降りて、トロリーポールを架線に戻す作業を、乗客が根気良く見物する、というのんびりとした光景が市内のあちこちで見られましたが、最近のトロリーバスはトロリーポールがはずれても、ある程度の距離は自走できるようになっているようです。


  日本でも以前は東京、横浜、名古屋、京都、大阪など主要な都市でトロリーバスが利用されていたようですが、架線を張ることによって都市の景観が損なわれたり、架線がないところは走れないという自由度の少なさなどから、ディーゼルエンジンのバスにその座を奪われていき、1972年に横浜市交通局で廃止されたのを最後に、日本の都市部でトロリーバスが見られることはなくなってしまいました。


  北京市でも都市部が急激に拡大していることや、輸送能力を急速に拡充しなければならないことから、新規のバス路線に架線の敷設が必要なトロリーバスが採用されることはなく、今や北京を走っているほとんどのバスは、ディーゼルエンジンか天然ガスエンジンのバスになってしまいました。


  しかし、トロリーバスの最大の長所は、排気ガスを一切出さないこと。エコの観点から見れば、今後、トロリーバスの利用を見直す動きが出ても良いのではないか、と私は思います。





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