アジアブログ

 

 
 

2010年1月4日 【ベトナム】
感度低下を嘆くなら…

Brain Works Asia co.,Ltd
ディレクター 中嶋 和雄



ホーチミンに滞在して早1年が過ぎた。
私自身、初めての長期海外滞在になるのだが、これまで
食べ物やその他の生活事に悩まされることもなかったので、
順調に暮らしている「つもり」であった。


ところが、最近、今までベトナムに対して抱いていた違和感は薄れ、
過敏に反応していたセンサーも鈍ってきているのではないかという疑念が生じてきた。


先日、4日間だけ日本に戻った際に気が付いたことがあった。
普段ベトナムで使っているトイレットペーパーよりも、
日本で使っているものの方が幅が広く、それに違和感を覚えていることに自分でも驚いた。


些細なことなのだが、恐らく、こちらに来た当初はベトナムの
トイレットペーパーの幅がやや狭いと気がついていたはずだ。
こうしたことが1つでもあれば、他にも感度が低下してしまっていることが
多数あるというのは想像に難くない。


せっかくベトナムで生活しているのだから、日々、気がついたことを
記録しておかないと驚きの発見も忘れてしまい、貴重な情報や、
ビジネスチャンスを見落としてしまう。


だから、単純なことではあるが、自分への戒めの意味でもこのブログの場に
きちんと残していこうと改めて決意した。


では、忘れないうちに、最近、ベトナム生活で記憶に残った出来事を2つご紹介しよう。


1つは、タクシー会社の対応に関する出来事。
以前、移動中に携帯電話を失くし、おそらくタクシーの中だろうと思い、
諦め半分でタクシー会社に電話をかけた。
「探してみる」という返答を受けたものの、期待せずに待っていた。


すると、当日も翌日も音沙汰はなく、まさに買い換えようと思っていた日の朝、
顔なじみのタクシーの運転手がニコニコしながら近寄ってくるではないか。
手元を見てみると、なんと私の失くした携帯電話が!
ベトナム語で「ありがとう!」といいながら、ベトナムでもこんなに親切な
サービスが受けられるのかと感動した。


もう1つは飲食店でのワンシーン。
注文した料理を食べ始めたところ、器やスプーンのまわりに小さな蟻が
たくさんいることに気が付き、交換してもらうようにお願いした。


お皿を下げてもらうと、しばらくして、私が食べかけていたものをそのまま
別の器に移し替えてレンジで温めただけではないか?というものを出してきた。
しかも、麺はのびているし、スープの中に蟻が混入している可能性もある。


不満をいうと、どうも「何が問題あるのか?」という態度で聞かないので、
それ以上は突っ込まず、心の中で「二度と行くか!」と決めたものだ。
ちなみに、そのお店は日本人などの外国人を相手にしてサービスを提供しているという。


一方では感動し、他方では失望した事例になるが、
ベトナムで生活していると、どうも「ベトナム人感覚」に慣れてしまいがちだ。


とはいうものの、先進国の顧客をターゲットに取り込みたいサービス業では、
そのレベル向上を考え、実践しているところが増えてきている。
ホーチミンでは誰もが知っている「The Sushi Bar」はその代表例だ。


先日、ファミリーマートがベトナムに1号店をオープンした。
ベトナム国内8600万人の消費者層を狙った一例で、
今後も本格的に先進国のサービス業が進出してくることは間違いない。
だから、まともに顧客の声を聞かず、ステップアップしようとするところは、
ベトナムにおいても、どんどん淘汰される時代になっていくだろう。


ブレインワークスグループでは、日本の「おもてなし」を実践するための
ベトナム人向け教育サービスや、テキスト作りの実績を重ねている。
こうした時代背景を追い風にして、本気で顧客作り、ファン作りをしたい経営者に対し、
これまで以上に私たちは、日本式の「おもてなし」を訴求していく。











 


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